ディストリビューションの選び方 – 実績と用途に合わせて選ぼう

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今回はLinuxを導入する上で欠かせない要素の一つ、ディストリビューション(ディストロ)の選び方についてお話しします。
RHEL7系やAmazon Linux2のEOLが迫っていることで次のOSを探している方も多いと思います。
Red Hat Linux、RHELクローン、Ubuntu、Amazon Linuxといった代表的なディストリビューションがありますが、それぞれの特徴や適した用途を考えて選ぶことが重要です。
私はAlmaLinuxをよく使いますが、その理由についてもお伝えします。

ディストリビューションの系統

Red Hat Linux – 信頼性とサポートの象徴

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は企業環境での安定性や信頼性が求められる場合に適しています。

Red Hatは堅牢なサポートとセキュリティの提供で知られており、特に大規模なビジネス環境やクリティカルなアプリケーションを運用する際には頼りになる存在です。

ただし、商用ライセンスが必要であるため予算に余裕がある場合に選択されることが多いです。

RHELクローン – 信頼性を求めつつ予算を抑えたい場合

Red Hat Linuxのクローンとして知られるディストリビューションも存在します。

RHELのソースコードをベースにしており、RHELとほぼ同等の性能や機能を提供しますが無料で利用できます。

企業でRHELの信頼性を求めつつ予算を抑えたい場合には良い選択肢となります。

なお、CentOSはこれまでは魅力的なディストロでしたが、8のリリース(2019年12月)からわずか一年後、突如としてサポート終了が2021年12月末であることが案内されました。

その後はCentOS Streamという形で存在していますが、これまでのRHELのクローンとは異なり、β版といった位置づけとなるため現在では企業で導入しにくい印象があることが否めません。

そこでCentOSを除くRHELクローンをいくつか紹介します。

AlmaLinux

AlmaLinux は、CentOS 8の延長サポートを提供することを目的としたRHEL(Red Hat Enterprise Linux)クローンです。

CentOS 8のサポート終了に伴いAlmaLinuxプロジェクトが発足しました。
AlmaLinuxはセキュリティの強化や安定性の向上を目指し、企業向けの信頼性の高いLinuxディストリビューションとして注目されています。

サポート期間が標準で10年と長くサイバートラストと有償サポート契約を結ぶことで最長16年のサポートを受けることができます。

AlmaLinux OS に安心のサポートを提供:AlmaLinux OS サポートサービス

開発スピードも早いため、私も社内用の環境やテスト環境を入れる際にお世話になっています。

Miracle Linux

Miracle Linux は、日本の企業であるMiracleLinux株式会社(現在はサイバートラストと合併)によって開発されたディストリビューションです。Miracle Linuxは主に日本国内のビジネス環境において利用されています。

日本国内の法人向けにサポートを提供し、日本語環境に特化しています。

Rocky Linux

Rocky Linux は、CentOS 8のサポート終了後にCentOSの精神を継承し新たに立ち上げられたプロジェクトです。

Rocky LinuxプロジェクトはCentOSの以前のバージョンと同等のAPIとABIを提供し、企業や開発者がシームレスに移行できるよう努力しています。

安定性と互換性を重視しオープンソースのコミュニティによって支えられています。

Ubuntu – デスクトップからサーバーまで幅広く対応

Ubuntu はデスクトップ環境からサーバー環境まで広く使われているディストリビューションです。

使い勝手がよく強力なコミュニティサポートがあり、初心者からエキスパートまで広く受け入れられています。

特に開発者や個人のテストマシンに適しています。

Amazon Linux – AWSとのシームレスな連携

Amazon Linux は、Amazon Web Services(AWS)環境に特化したディストリビューションです。

AWSのサービスとの連携がスムーズでAWS上でアプリケーションを展開する場合に最適です。

OSの利用料は無償なのでEC2で気軽に試せます。

その他のディストリビューション

上記で挙げたディストロ以外にも、様々なディストリビューションが存在します。

例えばFedoraは新しい技術や機能の試験場として利用され、最新のソフトウェアが提供されています。(先述のCentOSもこちらに近いと言えます。)

またopenSUSEはユーザーフレンドリーなデスクトップ環境を提供しており、オープンソースコミュニティにおいても注目を集めています。

ディストリビューションの選択肢を検討するポイント

社内の導入実績

ディストリビューションの選択において、社内での導入実績有無は非常に重要です。

既に採用されているディストロがあればその実績を踏まえることで、導入時や運用中のトラブルシューティングのスムーズな進行が期待できます。

カスタマイズの容易さ

ディストリビューションごとにパッケージ管理システムや設定ツールが異なります。

使用したいソフトウェアや機能、管理のしやすさを考慮してディストロを選びましょう。

ディストリビューションのアーキテクチャ

いくつかのディストリビューションは様々なアーキテクチャにも対応しています。

例えば、UbuntuDebianはx86アーキテクチャに特化していますが、Raspberry Piなどの組み込みデバイス用に作られたディストロもあります。

プロジェクトやデバイスの要件に合わせて検討しましょう。

コミュニティの活発さ

ディストリビューションの成熟度やコミュニティの活発さも重要なポイントです。

ユーザーコミュニティやオンラインフォーラムが充実しているディストロはトラブルシューティングや情報共有がしやすくなります。

選んだディストロのコミュニティの活動状況を確認し問題が生じた際にしっかりとサポートを受けられるかを確認しましょう。

まとめ

ディストリビューションの選択は、Linuxシステムの構築において非常に重要です。

信頼性、用途、予算、社内での導入実績、カスタマイズの容易さ、アーキテクチャ、コミュニティの活発さなど、多くの要素を検討することが必要です。

とはいえ実際のところ、自分用のテスト環境であればRHELのクローンかUbuntuを選択すればまず間違いはありませんが、紹介したディストロの中で一番興味の湧いたものを選ぶのも面白いでしょう。

これから社内のシステムにLinuxを導入する場合は各ディストロの特徴を理解し、プロジェクトやビジネスの要件に適したディストロを選ぶことでより効果的な運用が可能になります。

是非ニーズに合ったディストリビューションを見つけてみてください。

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